蒼の髪と銀の雨
PBW・シルバーレインのキャラクター、「巫名・芹(b40512)」のブログです。 後ろの人の代理人(A)との対話や、SS、RP日記などを書き連ねて行きます。最新記事は右側に。シリーズごとのssはカテゴリに。雑多なものはそれぞれカテゴリにちらばっています。 ―― 一人の努力で、なにものにも耐える礎を築けるだろう。しかし、誰かと共にあれば、その上に揺るがぬモノを建築できるのだ。…しかも楽しい――「音楽の先生」
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春と夏の狭間。夜、森の中にて。
普通、人は迷ったりしないよう、あるいは日没までになんとか帰還しようと試みる。
結果、よりドツボに嵌る可能性も高いのだが、普通はそういう行動を取る。
なぜなら、「行動することにより解決する可能性」を信じているからである。もっとも、これ自体は様々な事柄にいえるのだが。
そして何より、「迷ったり、日没までに帰れなくなる可能性」そのものを回避するのが最も良いとされている。
なぜなら、「迷ったりしなければ、そんな試みは不要になるから」である。せいぜい、普通に帰宅出来る程度の時間を確保するくらいであろう。
だがもし、それらを考慮して――つまりは、道をそれなりに覚える努力をし、妙な横道に入ったり、転落しないように注意して、さらには懐中時計も確認して――いたのにもかかわらず、迷ってしまった。日没までに帰れる確証がない。というかぶっちゃけ日は落ちた。…そんな状況になると、全く持って予想外の展開に少なからず余裕を奪われ、さらに迷う…そしてドツボの始まりで、さらに焦って…
そんな遭難スパイラルは、そうそうあるものではない。念入りにしていれば、相当なことが無い限りは、そんな状況にはならない。
それにここは郊外の森である。本当に迷うほうがどうかしていると言える。
昼間には散歩する老人だっているのだ。…当然、ごく浅い部分だろうが。
「…どうかしています…」
蒼い長髪を揺らし、肩にはギターを入れたケース。手には足元を確認するための太い枝。
表情は普段のまま…に、疲労と焦り、そして心細さを滲ませ歩くのは、巫名・芹。銀誓館に通う中学3年。
足取りは重く、余裕のない状況にあることを全身で物語る。
「なんで迷っちゃったんでしょうか…」
全く心当たりが無い。準備は万全だったし、妙な横道などに入った記憶もない。
すくなくとも、「うっかり」迷ったという訳でもない。恐らく。
「…考えても仕方ありませんね」
取り敢えず歩く事にした。座していても、自動的に地面が動いたりして帰れるわけではないのだから。
人が通ったような形跡――踏み固められた地面とか、不自然に折れていたり、採取されている植物とか――を探す。
「……?」
少し遠めに、何か…屋敷らしきものが見えた。しかもかなり大きい。
「…道を訊けそうですね」
希望がはっきりと見えたためか、表情が緩む。
かといって不注意で転んでも嫌なので、ゆっくりと慎重に屋敷へ向かう。
そして道を尋ねることとなるのだが、よもや、同じ寮の先輩が出てこようとは、このときには夢にも思わなかった。
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